2022年10月4日火曜日

かち\/山咄し(木村文三郎) その15

P9後半 国立国会図書館蔵

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(読み)

でんと多ぬ起尓すゝめある

でんとたぬきにすすめある


ひうミへのり多゛しあちらこ

ひうみへのりだ しあちらこ


ちらとこぎまハ春うち多

ちらとこぎまはすうちた


ぬきのふ年ハつち奈れバ□

ぬきのふねはつちなれば


(大意)

(漁に)出ようとたぬきにもちかけある

日、海へ乗り出し、あちら

こちらと漕ぎ回すうち、

たぬきの船は土船なので


(補足)

「多ぬ起尓すゝめ」、「すゝ」が平仮名「す」と「ゝ」がくっついているのでなやみました。その2行左側に変体仮名「春」があります。

「こぎ」はジッとみつめるとちゃんと「こ」と「ぎ」になってました。

 浜に打ち寄せる波が小山のようにえます。沖の左方向へ目をやると帆掛け船が一艘うかんでいます。

 

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