2022年10月3日月曜日

かち\/山咄し(木村文三郎) その14

P9中半 国立国会図書館蔵

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(読み)

つけ連バミそととう可゛らし可゛

つければみそととうが らしが


しミて多つてのくるしミを奈し

しみてたってのくるしみをなし


多りまたうさ起゛ハ多ぬき尓

たりまたうさぎ はたにきに


つちぶ年をこしらへさせじぶん

つちぶねをこしらえさせじぶん


きぶ年をこしらへ連 う尓い

きぶねをこしらえりょうにい


(大意)

(ぬり)つけると味噌と唐辛子が

しみて、大変な苦しみとなりました。

またうさぎはたぬきに

土船をこしらえさせ、自分は

木舟をこしらえて、漁に(出ようと)


(補足)

「つちぶ年をこしらへ」と「きぶ年をこしらへ」がそっくりに並んでいるのも珍しい。ここの「ら」がその右の行の「うさ起゛」の「う」にそっくりです。

「連う尓」、?でしたが読みすすめると「漁」でした。わからないところはいったん保留していおいて読みすすめるのがコツです。

 たぬきは土船をこしらえているので、右手に左官鏝(こて)、左手に鏝板(こていた)といっぱしの職人風。

 

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