2022年10月21日金曜日

猫の芝居(堤吉兵衛) その2

P1 国立国会図書館蔵

(読み)

木の音

きのおと


「カチ\/

 かちかち


カゝゝゝゝゝゝ

かかかかかかか


カチ

かち


「阿いつとめまする

 あいつとめまする


やく尓やんぶち(役にゃん(者)ぶち川ニャン十郎市川團十郎)

やくにゃんぶち


か王尓やん十  郎

かわにゃんじゅうろう


尓やんどうみけ(にゃん藤みけ五郎尾上菊五郎)

にゃんどうみけ


五郎 尓や可むら(ニャカ村(中村)みけ助中村宗十郎)

ごろうにゃかむら


みけすけまづハ

みけすけまずは


者じまりさやう

はじまりさよう


(大意)

木の音「カチカチ カカカカカカカ カチ」

「あいつとめまする

役者。ぶち川にゃん十郎(市川団十郎?)

にゃん藤みけ五郎(尾上菊五郎?)

にゃか村みけ助(中村宗十郎?)

まずははじまり。

さよう


(補足)

出だしの変体仮名「阿」(あ)がわかりにく。猫語「尓やん」がついてまわるのでこれまたやっかい。大意でも明治20年前後に活躍した役者名を猫語からあてはめましたがさて?

「十郎」「五郎」と「郎」のくずし字が出てきてますが、かたちがどうも違っているようで自身がありません。

最後の「者じまり」のあと「さやう」があります。次頁に続く言葉なのか、「者じまりさやう」でまとまっているのか、わかりません。

背景は大漁旗でしょう。赤の丸印は「東京圖書館印」「TOKIO LIBRARY」。

 

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