2022年10月6日木曜日

かち\/山咄し(木村文三郎) その16

P10前半 国立国会図書館蔵

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(読み)

□多゛ん\/くづ連可ゝるをうさ

  だ んだんくずれかかるをうさ


ぎハ見多りと可ひおつとり多

ぎはみたりとかいおっとりた


ぬき尓む可ひとしごろのあく

ぬきにむかいとしごろのあく


じ者゛アさんをころし多る可多

じば あさんをころしたるかた


(大意)

どんどんくずれてゆくのをうさぎは

みてとり、櫂(かい)を勢いよくつかみ取り

たぬきに向かって「この数年の(悪)事


(補足)

 うまく読めず、実は正しく読んでいたのですが意味が通じず二日間悩みました。

「可ひおつとり多ぬき尓む可ひ」、「おつとり」がわからなかった。辞書を調べると

これかなというのが見つかりました。

『おっと・る 【押っ取る】

(動ラ四)〔「おしとる」の転〕

① 勢いよくつかみ取る。「童にもたせたる太刀―・り,するりと抜きて」〈曽我物語1〉』

ぴったりそうなので、これを採用です。

それに続く「としごろのあくじ」も悩んだ。「としごろ」の意味がわからず、辞書をたよると

『④ 2幾年かの間。ここ数年の間。副詞的にも用いる。「―丹精して」〈当世書生気質•逍遥〉』

がありました。こんなふうにつかうなんて・・・。

ふぅ〜、これで意味がすべて通じました。

 

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