P10前半 国立国会図書館蔵
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(読み)
□多゛ん\/くづ連可ゝるをうさ
だ んだんくずれかかるをうさ
ぎハ見多りと可ひおつとり多
ぎはみたりとかいおっとりた
ぬき尓む可ひとしごろのあく
ぬきにむかいとしごろのあく
じ者゛アさんをころし多る可多
じば あさんをころしたるかた
(大意)
どんどんくずれてゆくのをうさぎは
みてとり、櫂(かい)を勢いよくつかみ取り
たぬきに向かって「この数年の(悪)事
(補足)
うまく読めず、実は正しく読んでいたのですが意味が通じず二日間悩みました。
「可ひおつとり多ぬき尓む可ひ」、「おつとり」がわからなかった。辞書を調べると
これかなというのが見つかりました。
『おっと・る 【押っ取る】
(動ラ四)〔「おしとる」の転〕
① 勢いよくつかみ取る。「童にもたせたる太刀―・り,するりと抜きて」〈曽我物語1〉』
ぴったりそうなので、これを採用です。
それに続く「としごろのあくじ」も悩んだ。「としごろ」の意味がわからず、辞書をたよると
『④ 2幾年かの間。ここ数年の間。副詞的にも用いる。「―丹精して」〈当世書生気質•逍遥〉』
がありました。こんなふうにつかうなんて・・・。
ふぅ〜、これで意味がすべて通じました。
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