2022年10月23日日曜日

猫の芝居(堤吉兵衛) その4

P2P3 国立国会図書館蔵

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(読み)

大 阿多り

おおあたり


み奈\/

みなみな


こふ者゛こを

こうばこを


つくりておれど

つくりておれど


おし阿ふ天

おしあうて


まい尓ち\/

まいにちまいにち


きやくどめ

きゃくどめ


たちミれんハ

たちみれんは


尓やん尓も見へ

にゃんにもみえ


ぬといふこと奈り

ぬということなり


(大意)

大当たり。

(観客は)皆々

香箱座り(猫が背を丸くして座る)しているけれど

押し合って

毎日毎日

客止め、

立ち見の客は

ニャンにも見えない

ありさまでありました。


(補足)

「大阿多り」、 何度も何度も変体仮名「阿」(あ)がでてきます。

「み奈」、平仮名「み」はあまりみかけません。ほとんどはカタカナ「ミ」。

「こふ者゛こをつくりて」、猫などが前足を折りたたんで丸くちんまりと座っている様の表現。

「おし阿ふ天」、変体仮名「天」は「二」+「人」の「二」の部分が「く」の上に小さく残ります。変体仮名「久」(く)とそっくりなのでまぎらわしい。

「たちミれんハ」、ここの「た」は平仮名。立ち見連(中)。

「見へぬ」、「見」のくずし字です。

 左の人形の化粧廻しの文字も読めそうで読めない。

 

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