2022年10月24日月曜日

猫の芝居(堤吉兵衛) その5

P4P5 国立国会図書館蔵

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(読み)

頓 べゑ

とんべえ


「さてハおのれハ

 さてはおのれは


よしミねを

よしみねを


尓可゛せしよナ

にが せしよな


おや可゛志由つ

おやが しゅっ


せの志゛やま

せのじ ゃま


ひろぐめろ

ひろぐめろ


ふめ尓くさ

ふめにくさ


も尓くし

もにくし


うぬどうして

うぬどうして


くりやう

くりょう


(大意)

頓兵衛

「さてはおまえは

良峰を逃したな。

親の出世の邪魔を

しやがる女め、

憎さも憎し

おまえをどうしてくれようか


(補足)

 芝居の一場面なので、まずはそれが何の芝居なのかがわからないとちんぷんかんぷんです。

「よしみね」で調べると、どうやら浄瑠璃・歌舞伎の「神霊矢口渡」(しんれいやぐちのわたし)のようです。

「ひろぐめろうめ」、意味がわからないので、この読みであっているのかどうかもわかりません。辞書で丁寧にひろってゆきました。「ひろぐ」は「広ぐ」で『②(動詞の連用形に付いて)他人の動作をののしっていう。…しやがる。「横着―・ぐ故にこそ人々にも怪しまれ」〈浄瑠璃・出世景清〉』。「めろう」は「女郎」で『① 女を卑しめていう語。「おれを馬鹿にするな,此(この)―」〈当世書生気質•逍遥〉

② 少女。女の子。「上京に姉をもつてござ有が,是に―がひとり御ざあり」〈狂言・粟田口〉

③ 人に使われる身分の低い女。日葡』でした。

これで意味が通じました。

 

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