表紙 国立国会図書館蔵
(読み)
かち\/山
かちかちやま
(大意)
かちかち山
(補足)
前回の「猫の芝居」は明治廿年の出版でした。これは「御届明治十八年四月廿日」わずか2年の差ですが、画工たちの腕の差は明らかです。そして定價壹銭。「猫の芝居」は二銭でした。
うさぎがたぬきを沖に誘い出し泥舟ごとたぬきを沈めようとしているところの図。うさぎは右手に櫂をもちエイエイとたぬきを打擲します。うさぎの櫂を握る手やたぬきの助けてくれと左手をひろげている手だけをみても絵師の描写力の確かさが伝わります。
たぬきの後ろにみえるのはうさぎがのっている木舟の舳先です。そして舳先とたぬきのわずかなすきまに海面をのぞかせているところがこころにくい仕上げです。
うさぎの赤い目をアクセントにした顔づくりがうまい。
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