2025年12月5日金曜日

江漢西遊日記六 その63

P74 東京国立博物館蔵

(読み)

鍋 嶌 黒 田と呼フ古  へ能屋しき能跡 と

なべしまくろだとよぶいにしえのやしきのあとと


見ユ其 畑  のウ子\/尓梅 桃 を植 て其

みゆそのはたけのうねうねにうめももをうえてその


比 梅 能花 さか里なり臺 より見下 セハ皆

ころうめのはなざかりなりだいよりみおろせばみな


梅 村 小倉 能沼 堤  向 フ方 ハ春 日山 八幡

うめむらおぐらのぬまつつみむこうかたはかすがやまやわた


山 遥  尓吉 野能方 金 剛 山 を望 ム左  ハ黄檗(ヲーハク)

やまはるかによしののほうこんごうさんをのぞむひだりは   おうばく


山 宇治の方 なり臺 を下 レハ御香 の宮

さんうじのほうなりだいをおりればごこうのみや


とて鎮 守 なり門 ハ古  へ能臺 所  能門 と云フ

とてちんじゅなりもんはいにしえのだいどころのもんという


画馬堂 尓大 釜 ニ菊 桐 の紋 アリ

えまどうにおおがまにきくきりのもんあり


三 月 朔 日 天 氣寒 シ宇治の方 へ行ク尓宮

さんがつついたちてんきさむしうじのほうへゆくにみや


乃前 を通 り梅 畑  を過 て城  址を左  ニ見テ

のまえをとおりうめばたけをすぎてじょうしをひだりにみて

(大意)

(補足)

「ウ子\/」、いままでずっとこの「ウ子」の「子」を「ネ」としてきましたが、「子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥」の「子」が字の形として正解のようです。

「小倉」、巨椋。この古地図を見ると大池の右に小倉村とありますので、正しいのかも。


 「御香の宮」、『御香宮神社(ごこうのみやじんじゃ)は京都市伏見区に鎮座し、安産・子育ての社として古くより信仰を集めています』とありました。
 

「画馬堂」、絵馬堂。

「三月朔日」、寛政1年3月1日 1789年3月27日。

 見学するところ、見学したいところがたくさんあるのでしょう。精力的に近辺を歩き回っています。

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