P3 東京国立博物館蔵
(読み)
二 日天 氣陬防能社 へ参 詣 春此 地の大 社
ふつかてんきすわのやしろへさんけいすこのちのたいしゃ
なり利助 方 へ行ク江戸會 所 も参 ル酒 吸 物
なりりすけかたへゆくえどかいしょもまいるさけすいもの
蕎麦を出ス義太夫 浄 瑠理を聞ク長 崎 人
そばをだすぎだゆうじょうるりをきくながさきじん
能浄 畄里を初 メてきく
のじょうるりをはじめてきく
三 日天 氣近 日 此 地を出 立 せんとて舩 ニ乗り
みっかてんききんじつこのちをしゅったつせんとてふねにのり
かえるべしとて聞ク尓大 坂 迄 舩 賃 雑 用 共 ニ
かえるべしとてきくにおおさかまでふなちんざつようともに
一 人 前 七 十 五匁 と云 ボーフラスコ壱 本 ニ付キ
いちにんまえななじゅうごもんめというぼーふらすこいっぽんにつき
六 十 四 文 六 七 本 買フ唐 人 の帽 子亦 下官(クワン)
ろくじゅうよんもんろくしちほんかうとうじんのぼうしまたげ か ん
能タツ帽 其 比 嶋 縮 面 ヤスシ四五疋 買
のだつぼうそのころしまちりめんやすししごひきかう
三 日天 氣よし松 十 郎 家 ハ四 軒 口 奥 行キ
みっかてんきよしまつじゅうろういえはよんけんぐちおくゆき
(大意)
略
(補足)
「二日」、天明8年11月2日。西暦1788年11月29日。
「陬防」、諏訪。「浄瑠理」、「浄畄里」、浄瑠璃。「嶋縮面」、縞縮緬。誤字ではありますが、この日記全般にわたって言えることでもあるのですけど、意識的に異なる漢字を当てはめているようにおもえます。
熟語でも単語でも言い回しでも、おなじ音の文字が続くと、変体仮名を使ったり、同じ音の漢字を当てはめたりと、おなじ文字の繰り返しは野暮という気持ちがあるように見受けられます。
「大坂迄舩賃雑用共ニ一人前七十五匁」、『江戸時代中後期において、金一両は銀六〇匁に相当。金一両は現代で約75,000円』とあって、しかし金一両の価値は江戸時代の中でも大きく変動していて、実際どのくらいであったかを換算するのは難しい。何が買えたかを調べるほうが金銭感覚としてわかりやすい。単純に計算すると約¥94000円。一気に大阪まで行けて便利だけどやはり運賃はそれなりで高い。
「疋」、『① 布帛(ふはく)(綿・麻布と絹布。織物。)の長さの単位に用いる。「幾―ともえこそ見わかね秋山の紅葉の錦」〈後撰和歌集•秋下〉』。一疋(びき)は布地二反。
街なかの観光が続きます。
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