2025年7月8日火曜日

江漢西遊日記四 その51

P58 東京国立博物館蔵

(読み)

持 渡 ル者 廣 東 邊  能産 物 薬 種 砂糖

もちわたるものかんとんあたりのさんぶつやくしゅさとう


類 なり亦 金 銀 とも持 渡 ル也 程 赤 城

るいなりまたきんぎんとももちわたるなりていせきじょう


ハ十  五年 此 方 渡海 春と云

はじゅうごねんこのほうとかいすという


廿   三 日 天 氣時雨 上 玄とて家 ゴトニ餅 を

にじゅうさんにちてんきしぐれかみいとていえごとにもちを


舂(ツク)昼 より田口 氏へ行 薬 園 を見 物 ス

  つく ひるよりたぐちしへゆくやくえんをけんぶつす


夫 より梅 カ﨑 と云 処  唐 船 かゝ里てあるを

それよりうめがさきというところとうせんかかりてあるを


乗り見 物 春亦 唐 人 往 来 春るを見る

のりけんぶつすまたとうじんおうらいするをみる


帰 り尓上 村 徳 太郎 是 もおらん多掛 りの者

かえりにうえむらとくたろうこれもおらんだかかりのもの


之 へよる酒 吸 物 を出ス夜 ニ入 四 時 ニかえる

これへよるさけすいものをだすよるにいりよつどきにかえる


廿   四 日天 氣時 \/雨 おらん多毛唐 人 モ共 尓館(クワン)

にじゅうよっかてんきときどきあめおらんだもとうじんもともに  か ん

(大意)

(補足)

「廿三日」、天明8年10月23日。西暦1788年11月20日。

「上玄(かみい)」、『旧暦10月(現在の11月頃)の最初の亥の日を指し、亥の子(いのこ)の行事が行われる日です。亥の子は、無病息災や子孫繁栄を祈る行事で、特に西日本では盛んに行われます』、と、ここまではグーグルのAI(調べ物をしていると、ここのところAIによるものが急激に増えてきました)による概要から。ここからは辞書『また江戸時代には,この日に炉やこたつを開き火鉢を出す習慣があった』。

「梅カ﨑と云処唐船かゝ里てあるを乗り見物」、「西遊旅譚三」に精密な支那船(トウセン)の図があります。 

「唐人往来春るを見る」、同じく「西遊旅譚三」より。 

 やはり江漢は絵師で、いつもとは全く異なる絵筆運びで、ものの形を精細に写しとっています。うまいです。

「夜ニ入四時」、夜の10時頃。

 

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