2023年5月28日日曜日

OURASIMA LE PETIT PÊCHEUR その21

P20P21 個人蔵

(読み)P21

pour le conduire. " Peut-être, se dit-il

qu'en ouvrant la boîte qu'elle m'a

donnée, trouverai-je le chemin." Il

désobéit donc aux ordres de la

princesse qui lui prescrivaient de ne

pas ouvrir la boîte; peut-être, les

oublia-t-il, dans sa légèreté. Quoi

qu'il en soit, il ouvrit la boîte. Que

pensez vous qu'il en sortit? Rien

qu'un nuage bleu qui s'envola sur

l'océan. Ourasima lui cria de s'arrêter,

courut après et pleura de chagrin; car

il se rappelait maintenant ce que sa

femme lui avait dit et comment, après

(大意)

浦島は考えました。

「多分、もし妻が持たせてくれた箱を開ければ、わたしは帰りの道を見つけることができるにちがいない。」

そうして、彼は箱を開けてはいけないという妻の言いつけに背いたのでした。それとも多分それらの約束を忘れていたのかもしれませんでした。いずれにしろ浦島は箱を開けました。みなさんは箱から何が出てきたと思われますか?

 海の上に浮かんでいる白い雲のようなもの以外なにも出てきませんでした。浦島はその雲のようなものに向かって消えろと大声をだし、慌てふためき、悲鳴をあげました。妻が彼に言ったことを思い出してしまった今となっては、(箱を開けてしまったあと、竜宮に再び帰ることはいかようにしても決してできないのでした。)

(補足)

 この当時の印刷は手作業でした。この和紙は薄い越後和紙らしいのですが、ちりめん加工をする前に、平紙の状態で摺ったあと、その和紙をセーム皮のようなもので挟み込み、麺棒に巻き付けます。それを棒の両端から圧縮して縮め、いったん挟み込んだ皮から剥がし、次は向きを変えて同じことを繰り返すこと、4方8方から圧縮してちりめん状にしてゆきます。もとの平紙の大きさから比べると8割程度の大きさになってしまうということです。

 それでもこんなに鮮明な文字をたもっているのですから、見事なものだとおもいます。

 

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