2021年4月15日木曜日

豆本 開化地獄論後編 その5

P4P5

(読み)P4前半

いつ王り者 尓ち可゛い奈し

いつわりものにちが いなし


このおもむ起ヲ分 署 へ

このおもむきをぶんしょへ


ね可゛いそのご志よけい尓

ねが いそのごしょけいに


おこ奈いくれんと

おこないくれんと


いふと起の春起を

いうときのすきを


う可ゞい

うかがい


鬼ども

おにども


ハ▲


(大意)

偽り者に違いありません。

この事情を(警察)分署へ願い(届け)、

その後、処刑にしてくれよう」と言った

そのすきをじっと待って

鬼どもは


(補足)

「いつ王り者」、変体仮名「王」(わ)のかたちは「已」ですが、使われる頻度は高い。「者」(もの)はここでは文字通り「もの」。

「このおもむ起ヲ分署へ」、「ヲ」は片仮名。「分」のくずし字は「彡」+「ゝ」。

「う可ゞい」。「う」と変体仮名「可」(か)はどっちがどっちだかわからないくらいにてます。

 子どもは右手で閻魔の首根っこを抑え、左手で鬼の胸ぐらをとらえ赤鬼は苦しそうにのけぞっています。これで話が終わるわけではありませんが、まさに大団円。

部屋では大乱闘ですけど、背景の壁絵はのどかそう。

 

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