2021年4月18日日曜日

豆本 開化地獄論後編 その8

P6P7

(読み)P6

むくいハてきぜん

むくいはてきぜん


王れ\/可゛このつへ

われわれが このつえ


本゛うやさつま多で

ぼ うやさつまたで


者りの山 可ら

はりのやまから


ちのいけとうそを

ちのいけとうそを


つく奈ら志゛やう

つくならじ ょう


者りのかゞみ尓

はりのかがみに


可けてもとをしハせぬぞ

かけてもとおしはせぬぞ


「ぬ可し多り\/

「ぬかしたりぬかしたり


こうとらへ多

こうとらえた


このゑんま

このえんま


わいら尓

わいらに


王多して奈る

わたしてなる(ものか)


(大意)

報いは受けて当然だ。

われわれがこの杖棒や

刺股で針の山から血の池と

嘘をつくなら浄玻璃の鏡に

かけても通しはせぬぞ」

「ぬかしたなぁ、ぬかしたなぁ

こうやって捕らえたこの閻魔を

お前らにわたしてなるものか


(補足)

どうも読解力に欠けているようで、「王れ\/可゛〜うそつく奈ら」がよくわかりません。

「てきぜん」、現在では使われてないとおもいます。「的然」。はっきりとしたさま。明白なさま。

「つへ」、「へ」が「く」にみえます。

「山可ら」とその左の「うそ」、変体仮名「可」と「う」はほとんど同じにみえます。

「かゞみ」、平仮名「か」と「み」がめずらしい。

「わいら尓」、調べると「汝等」(わいら)とありました。

「王多して」、変体仮名「多」がわかりにくですけど、小さな「多」でしょう。

大王はすでに正気を失い、放心状態でヘナヘナ笑っています。

 

0 件のコメント:

コメントを投稿