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(読み)
奈ん里本ど者奈れておりますと
なんりほどはなれておりますと
いへバ可多ハら尓い多る三 途の者゛ゞア可゛
いえばかたわらにいたるさんずのば ばあが
「それハおろ可ものゝいふ
「それはおろかもののいう
こと奈りか奈らず
ことなりかならず
ある尓ち可い奈しこゝより
あるにちがいなしここより
十 万 おくど者奈れて
じゅうまんおくどはなれて
極 東 のと奈りの
きょくとうのとなりの
く尓奈り
くになり
「それでも
「それでも
世界 尓ハ
せかいには
五大
ごだい
州 より▲
しゅうより
(大意)
何里ほど離れておりますと言うと
そばに居座る三途のババアが
「それは愚かも者の言うことであるぞ。
必ずあるに違いないのだ。
ここより非常に遠く離れた極東の
隣にある国である」
「それでも世界には五大州より
(補足)
変体仮名「本」(ほ)もしつこく使われ続けたひとつです。変体仮名「奈」(な)もそうですけど、これは形が「な」にもともと近い。
「おろ可もの」、「ろ」と変体仮名「可」はほとんど同じ形です。
「か奈らず」、平仮名「か」も使われてきはじめています。
「十万億土」、今ではすっかり死語になりました。もともとは極楽浄土のこと。転じて非常にの意。
「それでも」、ここの「も」と3行目の「も」の形と筆順が異なっています。
「州」のくずし字はいろいろあります。
三途のババアは長煙管を振り回して、子どもに反論中。閻魔大王は小僧言いたいことを言ってみろと余裕の笑顔、くっくっくっと押し殺した笑い声が聞こえてきそう。「王」様ワッペンが復活してる。
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