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(読み)
心 尓もやしまよい
こころにもやしまよい
くるしむことを
くるしむことを
焔 魔といふと可
えんまというとか
それ由へ地獄 とハ
それゆえじごくとは
国 の奈でハあります
くにのなではあります
まい▲
まい
▲もしま多く尓の
もしまたくにの
名奈らバこの
なならばこの
日本 可ら奈んの
にほんからなんの
可多にあ多つて
かたにあたつて
(大意)
心に燃やし迷い
苦しむことを
焔魔(えんま)というのだそうです。
それゆえ地獄とは
国の名であるということは
ないのです。
もしまた、国の
名であるならば
この日本からどちらの
方角にあって
(補足)
子どもが片腕まくってげんこつ握って、口はへの字、大王にひるむことなく挑む。たのもしい。
古文書を読み始めたとき「心」のくずし字が読めませんでした。もう読める字になっていたはずですけど、これは何と読むのだろうとおもってしまうていたらく、情けない。
「こと」、合字です。「ゟ」(より)のようなフォントがありません。
「国」のくずし字はいろいろあります。ここでは「乙」の途中で筆をクルッとまわして、仕上げに両側に点ゝ。
子どもの背景は血の海、そのまわりはトゲトゲだらけ。
場所は地獄なのでしょうけど、全体の色調はやけに明るい。
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