2021年4月11日日曜日

豆本 開化地獄論後編 その1

表紙

見返し

(読み)

開化地獄論後編

かいかじごくろんこうへん


地獄論

じごくろん


後編

こうへん


幾歳斎画

いくとしさいが

追記(20210427)訂正です。

幾飛亭画

いくひていが


(大意)

(補足)

 前編の奥付は後編と同じなのでそのときに載せ、後編に入ります。

前編後編の表紙を右左に並べると閻魔大王と子どもがにらみ合う構図になることはすでに示しました。

子どもの面構えがいい。ザン切りカットと坊ちゃん刈りを合わせたような髪型もいい。着物の縦縞が子どもの斜に構えた体幹の線をなぞるような曲線を描いている。閻魔大王の圧力に体が引いてしまっていながらも気持ちは何おぉ〜って向かってゆく。

 鬼の乳首やへその紅葉のような手裏剣のような形が愉快。

見返しは秤(はかり)の図。古代エジプト「死者の書」にも天秤に心臓と羽根がのっている図があります。ここの黄色い棘棘したものは死者の業でしょうか。天秤棒の支点で吊り下げてある鉄の輪っかの青色がちょっと不気味でワンポイントになってます。また「地」の上の支え棒がゆるくしなってその先がちょっと上に向いていてはかり皿が落ちないように描かれています、なかなか細かい。

「幾歳斎画」は読めなかったので、「幕末明治豆本集成加藤康子著」を参考にしました。

「いくさいさい」なのか「いくとしさい」なのかわかりませんでしたが、「幾歳」(いくとし)としていたようなので、後者としました。この絵師については不明なことが多いようです。

追記(20210427)

 その後いろいろ調べました。どうやら上記の本のミスのようです。

幾歳斎ではなく幾飛亭です。小林英次郎の他の豆本に同じ記名があります。

 

 

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