P42たち木の間を徒も流事
(読み)
法 尓者奈可ミを四可く尓折
ほうにはながみをしかくにおり
て又 すミと\/と越をりて
てまたすみとすみとをおりて
志多のすミにいと尓天小
したのすみにいとにてこ
石 尓てもおもりを徒け天
いしにてもおもりをつけて
かくのことく下 能すミよ里
かくのごとくしたのすみより
上 の春ミまて見と越し天
うえのすみまでみとおして
木のすゑを見扨 そ連より
きのすえをみさてそれより
(大意)
このような方法もある。鼻紙を四角に折り
次に隅と隅とを重ねる。下側の隅に糸の下に
小石でおもりをつけたものを図のように、
下の隅より上の隅までを見とおして
木の先端を見る。そのようにすれば、
(補足)
鼻紙を使っての簡便測量術。これもこじつけでしょう。おもしろいけど。だって職人ならぱっとみて高さなどすぐにわかりますし、わからなければ職人じゃありません。
「尓」(に)、くずしてもほぼ「尓」です。このあと「小石尓て」のところでは英小文字「y」のような形も多い。
「者奈可ミ」、変体仮名「者」(は)は「む」の後半が下に流れる感じ。「ミ」は平仮名「み」がつかわれることはほとんどみません。
「すミと\/と越をりて」、変体仮名「越」(を)。その次に平仮名「を」があります。
「志多のすミにいと尓天」、平仮名「に」は珍しく、この時代ではよく使われていたのかもしれません。変体仮名「天」(て)、「く」の頭に飾りがありますので見分けられます。
「尓てもおもり」、ふたつの「も」の筆順がことなっていることに注意です。
「徒け天」、変体仮名「徒」(つ)。
「かくのことく下能すミよ里」、平仮名「か」も珍しく、たいていは変体仮名「可」(か)です。「こと」は合字。変体仮名「能」(の)の上には平仮名「の」があります。変体仮名「里」(り)。
「を」「て」「に」「か」「の」など変体仮名と平仮名が混在して使われています。使い分けのきまりが特にあるわけではなさそうで、文章の流れなど気分次第といった感じがします。
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