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(読み)
みてい奈せへとめをむ起多゛して
みていなせえとめをむきだ して
もちまへの大 口 をあいて小供 尓向 ひ
もちまえのおおくちをあいてこどもにむかい
「やをれ小 児よくうけた満王れ
「やおれしょうによくうけたまわれ
ま多゛ちゝくさきこどもの
まだ ちちくさきこどもの
くせ尓志つれいの
くせにしつれいの
ことをいふもの可奈
ことをいうものかな
王れハぢごく尓
われはじごくに
尓んべつ
にんべつ
ありて
ありて
地獄 の王 奈り
じごくのおうなり
奈んぞさいせん奈ぞを
なんぞさいせんなぞを
もらいく王つ可けいを
もらいか けいを
多つ可もの
たつかもの
奈らんや▲
ならんや
(大意)
みていなせえ」と目をむき出して
持ち前の大口を開いて子どもに向かい
「おい子ども、よく聞くがよい。
まだ乳臭い子どものくせに
失礼なことを言うものではないぞ。
わしは地獄に住み、
地獄の王であるぞ。
どうして賽銭などをもらい
それで生計を立てている者である
ことがあろうか
(補足)
字がかすれているところもあり読みづらいし、出てくる言葉も子どもだけではちょっと難しいところもあって、当時は年長のものに教えてもらいながら読みすすめたような気がします。
でだしの「み」が平仮名です。
2行目「もちまえの」、4行目「こどもの」の「も」の書き順が異なり形が違います。また「ち」が悩みます。このあとの「ちゝくさき」の「ち」も同様。
「向ひ」、すぐには読めませんでした。「ひ」なのか「い」なのかも迷います。
「やをれ」、おい、おまえ。人に呼びかける語。
「志つれいの」、「志」がかすれています。「い」が「ひ」にもみえます。3行前の「ひ」とそっくりです。
「尓んべつ」、「尓」が難しい。
「もらい」、「ら」は「う」ににていることがあって迷います。
「く王つ可けい」、「家計」(かけい)。旧仮名遣いでしょうけど「つ」がはいるのかどうか?
閻魔様の言い回しが分かりづらいところが多く、やや難しい。
三途の川のはこんな婆さんが待っていて、亡者をそれぞれの河に振り分けるのだそうです。
今までの豆本のお伽噺に出てきた意地悪ばあさんの顔立ちと同じであります。
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