P8P9
(読み)P8下段
そのとおりでハ
そのとおりでは
奈い可だれも
ないかだれも
あそび多いハ
あそびたいは
お奈じこと多゛
おなじことだ
可らまア由るして
からまぁゆるして
おやん奈さい
おやんなさい
ゑんまさんも
えんまさんも
地ごくといふ
じごくという
国 可゛ある
くにが ある
奈んぞと
なんぞと
うそを
うそを
つくと
つくと
それそ
それそ
P9下段
こ尓
こに
ある
ある
(大意)
お前さんだってそのとおりではないか。
誰もが遊びたいのは同じことだ。
だからまぁ許しておやんなさい。
閻魔さんも地獄という国があるなんぞと
ウソをつくとそれそこにある
(補足)
丁稚が両者を言い含めることばが、どこかのご隠居さん風にきこえます。
虫食いの跡がきれいにのたくってますが、なんとか読むことはできます。
「だれも」、だんだん平仮名「た」がつかわれる割合が多くなってきているようです。
「あ」と「お」のかたちも、はっきりと別物になってきてます。
「うそ」、平仮名「う」が「う」にみえなくて、変体仮名「可」のほうが「う」にそっくりです。
丁稚をはさんで、右上がりの勢いのある小僧、かたやもうしぼんでしまって消えてしまいそうな閻魔さん、明治の時代の象徴です。
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