2020年11月3日火曜日

豆本 かち\/山(佐藤新太郎)その11

P.9前半

(読み)

いゝけるバ

いいけるば


うち尓

うちに


もへ

もえ


あ可り

あがり


大 やけ

おおやけ


ど奈り

どなり


うさ

うさ



きゝて

ききて


よろ

よろ


こび

こび


ミまい

みまい


奈可゛ら

なが ら


とう

とう


がらしミそ

がらしみそ


もちゆき

もちゆき


(大意)

と答えたとたん

(柴の)内側に燃え上がり

(狸は)大やけどをしました。

兎はそれを聞いて喜び、見舞いに

唐辛子味噌を持ってゆきました。


(補足)

この頁、文章よりも先に兎の斬新な忍者装束のような姿に目が奪われます。一体この●の紺色、そのまわりに薄青のトゲトゲ、なんて奇抜な柄でありましょう。両手に持つは火打道具、これがカチカチの音のもとです。


「いゝけるバ」、「る」は「連」(れ)ではないのですね。

「うち尓」、「う」のカーブのところがかすれていて「こ」にもみえてしまいます。

「きゝて」、ここの「て」も先ほどの「う」と同じく、かすれてます。「と」にみえます。

「ミまい」、「ま」とわかってしまうとなんでもないですが、変体仮名「連」(れ)をちょっとかきそこなったようにもみえます。


 

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