P.11上段中段
(読み)
ふねハ
ふねは
つちぶね
つちぶね
ゆへ多゛ん\/
ゆえだ んだん
くづ連
くずれ
可ゝり
かかり
け連バ
ければ
うさ起
うさぎ
ハよろこび
はよろこび
ひごろの
ひごろの
あくじおもひ
あくじおもい
志連と
しれと
可ひを
かいを
もつて
もって
さん\/゛
さんざん
尓うち
にうち
多ゝき
たたき
(大意)
船は土船のため
だんだんとくずれだしので
兎は喜び、日頃の悪事をおもいしれと
櫂を持って散々に打ちたたき
(補足)
「ふねハ」と「つちぶね」の「ね」が異なってます。後者は変体仮名「禰」(ね)でしょうか。「根」かもしれません。
「くず連」「け連バ」「志連と」、変体仮名「連」(れ)。
「うさ゛起」、濁点をおくところを間違えたか。
「あくじ」、「くじ」が「乍」のようにみえます。
部屋の中は兎が狸に土船を造らせようと設計図を見せて説得している場面、狸は背中の大やけどをいたわるのか半身裸でこたつに入っています。こたつにかぶせてある布は唐草模様。
外では兎が細かく造り方を指示でもしているのか、狸は土壁を塗るときのようにコテ(鏝)と鏝板で左官屋さんのようです。
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