2020年11月16日月曜日

豆本 花さ起ぢゝい(小林英次郎)その6

P.4

(読み)

可りて

かりて


山へ

やまへ


由起

ゆき


し尓

しに


お志

おし


ゑぬ■

えぬ


由へ

ゆへ


だん\゛/

だんだん


山ふ可く尓▲

やまふかくに


▲奈つて

 なって


いぬ可゛

いぬが


ころ可゛る

ころが る


ところを

ところを


本る尓

ほるに


奈可より

なかより


いろ\/奈る■

いろいろなる


(大意)

借りて山へ行ったのですが

(犬が場所を)教えないので

どんどん山深いところへ入り込みました。

犬がくるくる回るところを掘ると

中よりいろいろな


(補足)

 欲張りじいさん鍬を振り上げ穴掘る姿が勇ましい。打ち鍬の柄、刃床(はとこ)部と刃、風呂(刃を挟んでいる部分)も描き分けています。刃の青みががっている部分がするどそう。

「由起」(ゆき)、「由」が◯に十のようにみえます。中段の「由」は「ゆ」にちかい。

「ころ可゛る」、そのまま「ころがる」と読み、犬が同じ場所でくるくる回ると理解しました。

ここの「る」は平仮名「る」と全く同じ、このあとの「る」は下半分だけでこちらのほうが多い。


 今朝の朝刊に、「明治22年の『國華』創刊号は1冊1円。かけそば100杯分の値段だった」との記事がありました。100銭で1円です。この豆本が1銭5厘ですから、かけそば1杯半、大盛りのかけそばとなります。

 

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