2019年2月19日火曜日

変事出来二付心得覚記 その96




 P.38 5行目〜最後まで。「飯能市立博物館所蔵平沼家文書」

(読み)
尤   、是 ハ言 訳 申  候  得共 、村 方
もっとも、これはいいわけもうしそうらえども、むらかた

穏 便 二相 成 二付 聞 捨るもの也
おんびんにあいなりにつきききすてるものなり

施  し金 千 両  上 名栗 村 有 徳 之
ほどこしきんせんりょうかみなぐりむらゆうとくの

者 二而差 出し可申   候   事 二相 成 候   、此 日
ものにてさしだしもうすべくそうろうことにあいなりそうろう、このひ

帰 り申  候   太次郎 殿 申  様 、十  六 日 夜 、
かえりもうしそうろうたじろうどのもうすさま、じゅうろくにちよる、

我 野ゟ 御出  役 様 被仰渡    二付
あがのよりごしゅつやくさまおおせわたされにつき


(大意)
もっともこれは言い訳を言っているわけですが、村の様子が
落ち着いてきているので聞き流しました。

施しのための金千両は上名栗村の資産家の
者たちが用意するということに決まりました。この日
帰宅した太次郎殿が言うには、16日夜
吾野よりお役人様が申し渡すために来るとのことで


(補足)
 段差げしてある2行は、源左衛門さんの個人的な意見感想の箇所でしょう。

「尤」、頻出です。3画目が横ではなく下へきています、で、そのまま「点」です。
「言」は「云」。
「穏便」、楷書のようで読みやすいです。

「徳」、これだけだとちょっと?ですが「有」に続くと推測できます。
「夜」、「亠」と「亻」がひとつになって偏になります。

「野」もこれだけでは難しいですが、「我」と一緒なので、読むことができます。
「被仰渡」(おおせわたされ)、頻出で3点セット。「被」はたんなる記号になってしまってます。


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