P.32 最初〜5行目まで。「飯能市立博物館所蔵平沼家文書」
(読み)
申 事 ゆへ御噺 し仕 候 、滝 之助 殿
もうすことゆへおはなしつかまつりそうろう、たきのすけどの
申 様 、下 名栗 浅 海 戸二も何 二も
もうすさま、しもなぐりあさかいどにもなににも
最早 可満王ぬ勝 手次第 に
もはやかまわぬかってしだいに
打 古王す遍し、今 者゛ん二も
うちこわすべし、こんば んにも
御用 向 参 り候 共 構 不申 候 間 、
ごようむきまいりそうろうともかまいもうさずそうろうあいだ、
(大意)
申すことでしたので、お話したまでのことでございます。滝之助殿
が言うには、下名栗だろうか浅海戸だろうがどこだろうが
もうかまわぬから好き勝手に
打ちこわしでもなんでもやってくれ、今晩にでも
御用の役人たちがやって来ようと、そんなのは構わないから
(補足)
書き出しの最初から4行目までとそれ以降が明らかに筆跡が異なります。
P.28,P.29あたりの筆跡と同じです。
下書きを書いておいて、いろいろな用事で出かけなければならない源左衛門さんに頼まれて家族たちが清書していたのでしょうか。
流れるような読みやすい美しい筆跡です。
いよいよ滝之助さんの大立腹は頂点に達し、メラメラ激しく燃え上がりまくります。
「最早」、「最」=「日」+「取」、くずし字が楷書のようにわかりやすい。
「可満王ぬ」「打古王す遍し」「今者゛ん」、変体仮名と平仮名。「今」が楷書体。
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