P.29 最初〜6行目まで。「飯能市立博物館所蔵平沼家文書」
(読み)
いたし候 哉と松 太郎 申 候 、
いたしそうろうやとまつたろうもうしそうろう、
滝 之助 殿 ・太次郎 殿 ・清 八 どの
たきのすけどの・たじろうどの・せいはちどの
申 様 、誰 も参 り不申 と申 候 ハヽ、
もうすさま、だれもまいりもうさずともうしそうらわば、
松 太郎 申 様 、是 もけしからぬ
まつたろうもうすさま、これもけしからぬ
者 共 あ連程 書 付 を御目ニ
ものどもあれほどかきつけをおめに
掛ケ帝と申 候 に
かけてともうしそうろうに
(大意)
したでしょうかと松太郎が述べた。
滝之助殿・太次郎殿・清八どの
が誰も来なかったというので
松太郎は、それはけしからん連中です。
あれほど(事前に)書付をお見せしてからと
いい含めておいたのに、と述べた。
(補足)
平仮名や変体仮名が目立ちます。やはり書き手は女性のようです。
「参り」「あ連程」のところに重ね書きのように筆が太くなってしまっているとことがありますが、
揚げ足取りではなく、なんだかホッとします。当時の人もうっかり書き損じしているんですね。
今も昔も癖字やくずしすぎの字には苦労します。
こちらの書き手のようにきれいな美しい筆跡ならば、古文書も苦労なく鑑賞しながら楽しく読めるのにと思ってしまいます。
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