2019年2月4日月曜日

変事出来二付心得覚記 その81




 P.30 最初〜最後まで。「飯能市立博物館所蔵平沼家文書」

(読み)
金 弐千 両   滝 之助
きんにせんりょう たきのすけ

金 弐千 両   伴 次郎
きんにせんりょう はんじろう

金 千 両   代 八
きんせんりょう だいはち

金 千 両   幸 次郎
きんせんりょう こうじろう

都合 九  千 両
つごうきゅうせんりょう

 外 二質 物 者不残  可返   候   、
 ほかにしちものはのこらずかえすべきそうろう、

  證  文 金 質 物 二准  し、
  しょうもんきんしちものにじゅんし、

  小作 金 者是 迄 分 帳  消 、
  こさくきんはこれまでぶんちょうけし、

  地面 者本 金 二而可返   筈
  じめんはほんきんにてかえすべきはず



(大意)
金弐千両 滝之助
金弐千両 伴次郎
金千両  代八
都合九千両

他に質物は残らず返すこと
証文金は質物に準ずる
小作金はこれまでの分は帳消し
(これまでの買い受けた)土地は元金にて返す約束とする


(補足)
頁が変わって、金額が続きます。
「千」、ここの「千」は前頁のとは異なり、ちゃんと「千」と読めます。
「両」も楷書です。

「都合」、「阝」の縦棒がなく下の方に横棒です。
「両」、いつものくずし字です。

「質物」が2度続きます。「質」には旧字(俗字)で「貭」がありますが、これは?。古文書小辞典で調べると、同じくずし字がのっていました。
「證」、「証」の旧字。

「作」のくずし字は特徴的で目立ちます。
「分」、「彡」+「、」
「筈」、ここでは「約束を果たす」「約束」でしょうか。

 以前の都合2万両の書付内容とは異なってます。
松太郎はあわてふためいたことでしょう。

 そうそう、前ページの一つ書きのところから、書き手が変わったような気がしました。

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