P4 個人蔵
(読み)
拾銭 大人口十
(大意)
略
(補足)
見返しにも入口付近の画があって、受付の様子も遠目から描かれていました。ここでは受付と下足番の詳しい画です。
受付の行灯も蝋燭が入っていて灯りの濃淡がきれいです。正面に「拾銭」、脇に「大人口十」とありますが、「口十」の意味が不明です。見返しにも外の灯り看板の脇に同じくあるのですけど、現在調査中。
そして、受付係の机上にも盛り塩があり、行灯の奥には下足札が積み重ねられていて、右手には下足札一枚を手にして準備しています。
お客さんが上がりかけていて、左手に下足札を手にしています。下足番はすでに入場されたお客さんと同じ番号札を鼻緒にくくりつけていまして、下足番の人の履物は雪駄です。全体の様子が正確に細かく描かれています。
足をかけて上がろうとしている旦那さん、のれんをくぐろうとしている日本髪の御婦人、お二人の羽織の濃い緑の濃淡の色具合も渋いですねぇ。
下足番についてより詳しい興味をお持ちの方はこちらのHPがおもしろい。
「https://www.uhchronicle.com/a0116/a0116j.html」
《20250429記》
調べたり考えたり、💡っとひらめきました。読みはそのままできっと「おとなくちじゅう」です。意味はこの「口」というのは助数詞で一口(ひとくち)、二口(ふたくち)などのように使います。なのでこの大人口というのは大人ひとりということで、十は十銭ということ。大人一人十銭の人を一口噺にひっかけて大人口十と寄席風にしたものとおもわれます。
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