P41 東京国立博物館蔵
(読み)
本 社 ハ半 ニアリ潮 能さし入ル潟(カタ)ニ造 リて回(クワイ)
ほんしゃはなかばにありしおのさしいる かた につくりて か い
廊(ロウ)能下 迄 潮 さし引春 平 相 国 清 盛
ろう のしたまでしおさしひきすへいしょうこくきよもり
能創 立 と云 誠 ニ古(フル)ヒ多る事 い者ん可多
のそうりつというまことに ふる びたることいわんかた
なし廊(クワロウ)能燈 火水 面 ニう川る此 嶋 ハ
なし かいろう のとうかすいめんにうつるこのしまは
巡 里七 里人 家千 余軒 田畑 なし猿
めぐりしちりじんかせんよけんたはたなしさる
鹿 多 し其 比 市 まちとて芝 居あり
しかおおしそのころいちまちとてしばいあり
茶 ヤなと出テ多り
ちゃやなどいでたり
十 八 日 雨 降ル此 日爰 ニ滞 畄 して春 木
じゅうはちにちあめふるこのひここにたいりゅうしてはるき
氏尓別 ル詩を賦春晩秋与司馬君
しにわかるしをふす
暫同道別干藝州厳島
(大意)
略
(補足)
「平相国清盛(へいしょうこくきよもり)」、『〈相国〉は太政大臣の唐名であり、平相国とは平家の太政大臣という意味』
「い者ん可多なし」、『いわんかたな・し いはんかた― 【言はん方無し】(形ク)〔「ん」は推量の助動詞「む」の連体形〕言うべき言葉がない。何とも言いようがない。例えようがない。格別だ。「―・くむくつけげなるもの来て」〈竹取物語〉』
「十八日」、天明8年九月十八日。1788年10月17日。
宮島の厳島神社は、1991年の台風被害で屋根がつぶれてしまった直後に訪れたことがあります。その後修復されてからも観光しています(何度も食した穴子丼がうまかった)。「猿鹿多し」とあって、当時は猿もいたようです。
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