P40 東京国立博物館蔵
(読み)
夜半 亦 東風吹キ舩 を出ス
やはんまたこちふきふねをだす
十 七 日 天 氣小嶋 ニかゝ里北 ノ方 廣 嶋 能
じゅうしちにちてんきこじまにかかりきたのほうひろしまの
川口 見へ西 ノ方 宮 嶋 見ヘる程 なく廣(ヒロ)
かこうみえにしのほうみやじまみえるほどなく ひろ
嶋 猫(ネコ)や橋(ハシ)と云 処 尓舩 を入ル舩 よりあが
しま ねこ や ばし というところにふねをいるふねよりあが
れハ城 下瓦 屋を並 へ冨商 多 し城 ハ
ればじょうかかわらやをならべふしょうおおししろは
左 ノ方 ニ見て右 ノ方 ニ入ル魚 市 場を過キ
ひだりのほうにみてみぎのほうにいるうおいちばをすぎ
町 者づれより海 邊へ出ツ海 上 嶋 数\/
まちはずれよりうみべへいずかいじょうしまかずかず
見ヘ草 津と云 へ一 里半 程 なく猪能口
みえくさつというへいちりはんほどなくいのぐち
と云 処 より小舟 ニ能る三 里渡 りて宮 嶋 ニ
というところよりこぶねにのるさんりわたりてみやじまに
至 ル雨天 なり先 宮 へ参 詣 春左右回廊(クワイロウ)
いたるうてんなりまずみやへさんけいすさゆう か いろう
(大意)
略
(補足)
「十七日」、天明8年九月十七日。1788年10月16日。
「猫(ネコ)や橋(ハシ)」、『寛永年間広島城下絵図』のお城左下、川がY字になっている左側の支流にかかっている橋が「ねこやはし」。
『芸州厳島図会 六月十六夜広島本川口の図』では大賑わいの猫や橋。
「草津」、広島から西へ少し進んだところに「草津後田村」があります。
江漢さん、広島から小舟で宮島に入るなんて、なかなか通であります。
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