P56 東京国立博物館蔵
(読み)
金 持 とハ見へ連と是 ハ困 り多る所 へ参
かねもちとはみえれどこれはこまりたるところへまいり
多ると思 ヒ先 奥 の坐しきへ案内
たるとおもいまずおくのざしきへあない
して通 シ个る尓此 間 出来多る坐しき
してとおしけるにこのあいだできたるざしき
と見へて至 てき連ゐなり先 能 茶
とみえていたってきれいなりまずよきちゃ
を出し菓子を出し夫 より茶 津けを
をだしかしをだしそれよりちゃづけを
出タ春爰 ニ於 て申 ニハ我 等所 持し多
いだすここにおいてもうすにはわれらしょじした
る珍 物 をご覧(ラン)ン尓入レんと云 けれハ
るちんぶつをご らん んにいれんといいければ
ハイ只 今 倅 可七 弟 かえりまし春其 時
はいただいませがれかしちおとうとかえりましすそのとき
拝 見 可仕 と申 程 なく弟 孫 三 郎 返 り
はいけんつかまつるべしともうすほどなくおとうとまごさぶろうかえり
て我 等ニあゐさ川春二 五六 歳 能人
てわれらにあいさつすにじゅうごろくさいのひと
(大意)
略
(補足)
「此間出来多る坐しき」、江漢の来訪は新築9年目にあたる。このときの間取り図が現存している、とありました。
「倅可七弟」、「弟孫三郎」、光武の三男、正治右衛門。本名を武成といい、のちに京都店・尾道店をまかされ、京都中井家の当主となる、とありました。
江漢さん、最初は困惑を隠せませんでしたが、「能茶を出し菓子を出し夫より茶津け」とすすむにつれて、ご機嫌になってきました。
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