2025年2月8日土曜日

江漢西遊日記二 その39

P48 東京国立博物館蔵

P49

(読み)

鳥羽浦

とばうら


ヒヨリ山

ひよりやま


爰 ハ諸 国 の舩

ここはしょこくのふな


港留(カ〃リ)て天 氣

   かかり でてんき


風 を見合 て

かぜをみあいて


舩 を出ス処

ふねをだすところ


なり

なり


小嶋 数 々

こじまかずかず


見ヘル

みえる

P49

北流到吾屋断橋幽人傍岸帰と夫

            とそれ


より五六 町  行 て浦 邊なり山 の根尓岩

よりごろくちょうゆきてうらべなりやまのねにいわ


二 ツあり其 波 うちニてこ里ヲ取ル処  聞 しより

ふたつありそのなみうちにてこりをとるところききしより


ハザツトし多る処  なり其 岩 能根を飛ヒ越シ

はざっとしたるところなりそのいわのねをとびこし


浦 邊津多へ尓と者゛浦 尓行く其 路 往

うらべつたえにとば うらにゆくそのみちおう


来 尓非 ス程 なく一 村 尓入 ル川 あり舟 ニて渡 ル

らいにあらずほどなくひとむらにはいるかわありふねにてわたる


夫 よりしてハ山 能腰 を行ク一 向 道 不知 して

それよりしてはやまのこしをゆくいっこうみちしらずして


路 を問フ人 もなき処  ヘ老 婆と小童  二 人

みちをとうひともなきところへろうばとこわらわふたり


行 を見付 其 者 能後 ニ付キて行ク尓山 一 ツ

ゆきをみつけそのもののあとにつきてゆくにやまひとつ


越して磯 邊へ出て岩 ニ飛 能り或  ハ海 ニ

こしていそべへでていわにとびのりあるいはうみに

(大意)

(補足)

 戯れの一句の意味は不明ですけど、あなた(月僊)とわたしは川の橋も壊れて、もう二度と会うことはないでしょうよ、といった感じか?

「こ里」、『こり【垢離】神仏に祈願する前に海水や冷水を浴びて,心身の汚れを落とし,清めること。水ごり』。伊勢神宮が近いのでこのあたりの川辺や海辺にいくつかあったよう。

「ヒヨリ山」、当時もそれからも風待ちの重要な港でありました。

 きれいですね。

 

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