P44 東京国立博物館蔵
(読み)
司馬江 漢 と云フ者 也 足 下吾カ名を不
しばこうかんというものなりそっかわがなをしら
知やと云 ハいか尓も不知 トなりと云 爰 ニ於 て
ずやといえばいかにもしらずとなりというここにおいて
色 \/持 多る画出し見セ个り其 中 尓蘭
いろいろもちたるえだしみせけりそのなかにらん
法 ニてかき多る人 物 アリ髭(ヒゲ)のチリ\/として
ぽうにてかきたるじんぶつあり ひげ のちりちりとして
活(イケル)カ如 キ者 アリ之 を見て忽 ち其 あい
いける がごときものありこれをみてたちまちそのあい
さつ加王里て先ツ内(ナイ)宮(クウ)へ参 詣 して我
さつかわりてまず ない ぐう へさんけいしてわが
方 尓てお宿 い多春べしゆる\/滞 留 し
ほうにておやどいたすべしゆるゆるたいりゅうし
玉 へと云フ夫 故 尓参 詣 して返 リ尓より个るニ
たまえというそれゆえにさんけいしてかえりによりけるに
打ツて變(カワリ)多る馳走 婦り尓て酒 よ肴 ナよと
うって かわり たるちそうぶりにてさけよさかなよと
て其 夜ハ爰 ニ泊 リ个る尓其 夜蘭 画ヲ望 ミ个るニ
てそのよはここにとまりけるにそのよらんがをのぞみけるに
(大意)
略
(補足)
「足下」、『二人称。自分と同等の地位または下位の相手を敬って,あるいはあらたまって呼ぶ語。貴殿。「―の意見を聞きたい」』
「蘭法ニてかき多る人物アリ髭(ヒゲ)のチリ\/として活(イケル)カ如キ者アリ」、江漢自慢の一枚で、道中各所で見せています。「髭(ヒゲ)のチリ\/として活(イケル)カ如キ」がいつも同じ表現で用いられていて、いわば殺し文句。
「酒よ肴ナよと」、最初の「よ」が「尓」にも見えますが、文章のながれから「よ」です。
江漢さん、自分か月仙のところに訪ねておきながら、自分のことを知らないことに、がっかりするよりも、どうやら腹をたててしまった様子。自慢の蘭画をみせて、どうだ恐れ入ったかと、それに対する月仙も手のひらをころっと返すような応対ぶり。
どっちも、どっちですね。
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