2025年2月5日水曜日

江漢西遊日記二 その36

P44 東京国立博物館蔵

(読み)

司馬江 漢 と云フ者 也 足 下吾カ名を不

しばこうかんというものなりそっかわがなをしら


知やと云 ハいか尓も不知 トなりと云 爰 ニ於 て

ずやといえばいかにもしらずとなりというここにおいて


色 \/持 多る画出し見セ个り其 中 尓蘭

いろいろもちたるえだしみせけりそのなかにらん


法 ニてかき多る人 物 アリ髭(ヒゲ)のチリ\/として

ぽうにてかきたるじんぶつあり  ひげ のちりちりとして


活(イケル)カ如 キ者 アリ之 を見て忽  ち其 あい

  いける がごときものありこれをみてたちまちそのあい


さつ加王里て先ツ内(ナイ)宮(クウ)へ参 詣 して我

さつかわりてまず  ない   ぐう へさんけいしてわが


方 尓てお宿 い多春べしゆる\/滞 留  し

ほうにておやどいたすべしゆるゆるたいりゅうし


玉 へと云フ夫 故 尓参 詣 して返 リ尓より个るニ

たまえというそれゆえにさんけいしてかえりによりけるに


打ツて變(カワリ)多る馳走 婦り尓て酒 よ肴 ナよと

うって  かわり たるちそうぶりにてさけよさかなよと


て其 夜ハ爰 ニ泊 リ个る尓其 夜蘭 画ヲ望 ミ个るニ

てそのよはここにとまりけるにそのよらんがをのぞみけるに

(大意)

(補足)

「足下」、『二人称。自分と同等の地位または下位の相手を敬って,あるいはあらたまって呼ぶ語。貴殿。「―の意見を聞きたい」』

「蘭法ニてかき多る人物アリ髭(ヒゲ)のチリ\/として活(イケル)カ如キ者アリ」、江漢自慢の一枚で、道中各所で見せています。「髭(ヒゲ)のチリ\/として活(イケル)カ如キ」がいつも同じ表現で用いられていて、いわば殺し文句。

「酒よ肴ナよと」、最初の「よ」が「尓」にも見えますが、文章のながれから「よ」です。

 江漢さん、自分か月仙のところに訪ねておきながら、自分のことを知らないことに、がっかりするよりも、どうやら腹をたててしまった様子。自慢の蘭画をみせて、どうだ恐れ入ったかと、それに対する月仙も手のひらをころっと返すような応対ぶり。

 どっちも、どっちですね。

 

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