P6P7 個人蔵
(読み)P6
Three young novices who were
at study in the next room heard
the noise, and, when one of them
peeped through the sliding doors,
what was his astonishment to see
the tea-kettle on four feet, dancing
up and down the room!
He cried out "Oh! what a
horrible thing! The tea-kettle is
changed into a badger!"
(大意)
隣の部屋で勉強していた3人の若い修行僧は物音を耳にして、そのうちの一人が襖をずらしてのぞいてみたところ、驚きの光景を目にしました。なんと茶釜から4本の脚が出て部屋のなかを踊り回っていたのです。
彼は叫び声をあげました。「おおっ、なんと恐ろしい!茶釜がたぬきになっているではないか」
(補足)
文福茶釜のはなしを読んだ子どもたちはきっと読んでもらった人に、たぬきじゃなくて亀のほうがよかったのにねと言ったかもしれません。亀は亀でもさしずめ数百年生きるというゾウガメ。亀も昔から親しみがある生き物でしたけど、この噺の内容では化けるたぬきのほうがよかったのでしょう。
たぬきが変身して踊っているこの挿絵をみてふっとおもったのですが、きっとたぬき踊りという余興があったのではとおもいました。