P5 国立国会図書館蔵
(読み)
[二ゟ]
により
とのさ満おとふり
とのさまおとうり
王れハ奈尓もの
われはなにもの
なるとたづ袮△
なるとたずね
△しに王たくしバ
しにわたくしは
かれき尓者な
かれきにはな
をさ可せる
をさかせる
[次 へ]
つぎへ
(大意)
殿様がお通りになり
あなたは何者であるのか
と尋ねるので
わたくしは
枯れ木に花を
咲かせる
(補足)
P4P5は見開きになっています。頁の左枠外中央下に丁合の「三」があるとおり、P5とP6が三丁で一枚の紙に摺られているはずです。P4P3は二丁ですのでことなる紙に摺られていますが、P5とP4は同じような色合いで丁寧に摺られていて同じ摺師の仕事のように見受けられます。
残念ながら、生け垣の隙間をすけて見える部分の婆さんを描くまでのことはしていません。しようとおもえば、いとも簡単にやってのけるぐらいの技量はあるにきまってますが、そこは1冊1銭5厘の豆本、それほど手をかけられません。
「奈尓ものなると」、同じ「な」でも変体仮名と平仮名、おなじ音(おん)を表す方法が何通りかあるのならば表現の幅を広げようとしているかのよう。次の行の平仮名「に」と変体仮名「尓」も同様。
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