2023年2月2日木曜日

西洋昔噺第一号八ツ山羊(長谷川武次郎) その15

P7上段後半 国立国会図書館蔵

(読み)

し、アゝ奈ん多゛か

し、ああなんだ か


真暗(まつくら)なところで

   まっくら なところで


あ徒多、といひ奈がら

あった、といいながら


母 の旁(そば)へよらん春る越、

ははの  そば へよらんするを


母 盤こどもら尓いひつ

はははこどもらにいいつ


けて、丸石(まるいし)を多 くあつめ

けて、   まるいし をおおくあつめ


させて、狼   の者ら尓徒めこみ、

させて、おおかみのはらにつめこみ


(大意)

(とび出)し、あぁなんだか

真っ暗なところで

あった、と言いながら

母のそばへよってくるのを

母は子どもたちに言いつ

けて、丸い石をたくさん集め

させ、狼の腹に詰め込み


(補足)

「よらん春る越」、今ではこのような言い回しは使われてないとおもいます。

「奈ん多゛か」「いひ奈可゛ら」、変体仮名「奈」(な)があまり出てこないなとおもっていたらつづけて出てきました。

 

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