P7上段後半 国立国会図書館蔵
(読み)
し、アゝ奈ん多゛か
し、ああなんだ か
真暗(まつくら)なところで
まっくら なところで
あ徒多、といひ奈がら
あった、といいながら
母 の旁(そば)へよらん春る越、
ははの そば へよらんするを
母 盤こどもら尓いひつ
はははこどもらにいいつ
けて、丸石(まるいし)を多 くあつめ
けて、 まるいし をおおくあつめ
させて、狼 の者ら尓徒めこみ、
させて、おおかみのはらにつめこみ
(大意)
(とび出)し、あぁなんだか
真っ暗なところで
あった、と言いながら
母のそばへよってくるのを
母は子どもたちに言いつ
けて、丸い石をたくさん集め
させ、狼の腹に詰め込み
(補足)
「よらん春る越」、今ではこのような言い回しは使われてないとおもいます。
「奈ん多゛か」「いひ奈可゛ら」、変体仮名「奈」(な)があまり出てこないなとおもっていたらつづけて出てきました。
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