2023年2月24日金曜日

かち\/山(小森宗次郎)その3

P1後半 国立国会図書館蔵

(読み)

者゛ゞにむ可い

ば ばにむかい


むぎをつくてつ

むぎをつくてつ


だいをいた春可らハ

だいをいたすからは


な王をといてくださいと

なわをといてくださいと


たのみけれバ者゛ゞハ

たのみければば ばは


な王を[次 へ]

なわを つぎへ


(大意)

ババにむかって

麦を搗(つ)く手伝いをしますから

縄をほどいて下さいと

頼むのでババは

縄を


(補足)

 土壁の表面のむらが本物のようで上手。文字も見やすい。

「むぎをつくてつだいを」、「く」の下半分の一部が欠けているのでその下の「て」とつながり変体仮名「者」のように見えてしまいます。よくわからないときは前後を繰り返し読むしかありません。

変体仮名「多」は使われずにすべて平仮名「た」です。

 たぬきの色がぼんやりして顔の部分を拡大するとババに話しかけているようです。

ババの右手といい、裸足の右脚といい、妙にリアルです。襟や帯は紺色で塗りつぶれてしまいそうですが模様がきちんと描かれています。

 

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