P9前半 国立国会図書館蔵
(読み)羊五終
奈尓やら石(いし)でも
なにやら いし でも
者い川ている
はいっている
ような、こゝろ
ような、こころ
もちが春ると、
もちがすると、
ひとりごと越いひ
ひとりごとをいい
な可゛ら、喉(のど)可゛か者く
なが ら、 のど が かわく
とみえて池(いけ)尓い多利、水
とみえて いけ にいたり、みず
をのまんとして、前(まへ)
をのまんとして、 まえ
へかゞみし尓、腹(者ら)の中
へかがみしに、 はら のなか
(大意)
なにやら石でも
入っているような気分がすると
ひとりごとをいい
ながら、のどが渇いたと
みえて池へゆき、水を
飲もうとして前へ
かがむいたところ、腹の中の
(補足)
「な」の変体仮名が使われることはあまりなかったようにおもわれます。
「者い川ている」、変体仮名「川」(つ)は促音の「っ」なのですが、大きい「つ」のまま。
「こころもちが」、お手本のような「が」の次の次の行には「な可゛ら、喉(のど)可゛」と、変体仮名「可゛」(が)で、両者共存です。
左の子山羊の顔がどこか人間っぽい。
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