2023年2月13日月曜日

花咲ぢゞ以(小森宗次郎)その6

P4 国立国会図書館蔵

(読み)

[次 ゟ]

 つぎより


奈きふんのいでし可者゛おこりてう春をもしてしまい

なきふんのいでしかば おこりてうすをもしてしまい


たるをしよ ぢきぢゞいきゝてお本い尓

たるをしょうじきじじいききておおいに


なげきその者

なげきそのは


いを

いを


もら

もら


い天

いて


ざる尓

ざるに


いれ


かれき尓

かれきに


の本゛り

のぼ り


いるところへ

いるところへ


そのところの

そのところの


[三 へ]

 さんへ


(大意)

(きた)ない糞が出てきたので怒って

臼を燃してしまいました。

そのことを正直爺(じじい)は耳にして

大変に嘆いたのでした。

その灰をもらいうけ、笊(ざる)に入れて

枯れ木にのぼっているところへ

その国の


(補足)

「その者いをもらい天」、「もらい」とよみましたが、間違っているかもしれません。

この頁は仕上がりも上々です。臼にむしろを敷いているのがなかなか細かい。爺さんはたすき掛けならもっとそれらしくなったかもしれません。左利きの構えで杵(きね)を握っているのは絵師の約束事のようで、この構えで右利きにすると左手が前にきてしまって、顔や体全面が隠れてしまうからでしょう。

 

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