P3前半 国立国会図書館蔵
(読み)
[一 ゟ]
いちより
し可バ者ら
しかばはら
たち
たち
いぬ
いぬ
をころし
をころし
ける志よ じき
けるしょうじき
ぢゞ以これをきゝて
じじいこれをききて
お本い尓なげきその
おおいになげきその
いぬを本うむりし尓
いぬをほうむりしに
そのよ可のいぬ由めま
そのよかのいぬゆめま
くら尓たち本ふむり阿る
くらにたちほおむりある
可たハらのまつのきをう春尓
かたわらのまつのきをうすに
こしらへもちをつけとみし
こしらへもちをつけとみし
由へさつそくう春
ゆえさっそくうす
をこしらへもち
をこしらえもち
をつき◯
をつき
(大意)
(犬の糞が出てきた)ので、腹が立ち
犬を殺してしまいました。
正直じじいはこれをきいて
大変に悲しみ、その犬を葬ってあげました。
その夜、あの犬が夢枕に立ち
葬ったそばの松の木で臼を
つくり餅をつけという夢をみて
さっそく、臼をこしらえて
餅をつく
(補足)
「そのよ可のいぬ由めまくら」、変体仮名「可」が「る」に見えないこともありませんが、「そのよ/可のいぬ/由めまくら」と区切ります。
犬に殴りかかる岡っ引きのような格好で紺の縦縞、裏生地の赤が引き立ちます。婆さんの驚いた様子や、勢いよく犬に向かう態勢が上手。
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