P1 国立国会図書館蔵
(読み)
本つたん
ほったん
む可し\/
むかしむかし
あるい奈可尓
あるいなかに
志よふ
しょう
じき
じき
なる
なる
ぢゞあり
じじあり
ひ古゛ろいぬを王可゛
ひご ろいぬをわが
古のごと久可王い可゛り
このごとくかわいが り
けるあるひそのいぬ
けるあるひそのいぬ
志きり者ぢを本る尓ぞぢゞいも●
しきりはじをほるにぞじじいも
●とも尓そのとこ
ともにそのとこ
ろを[次へ]
ろを つぎへ
(大意)
はじまりはじまり〜
むかし昔、ある田舎に正直な爺(じじい)がいました。
日頃、犬を我が子のようにかわいがっていました。
ある日、その犬が何度も端を掘るので
爺もいっしょにそのところを
(補足)
「本つたん」、発端とわかるのにしばらくかかりました。講談師がパシッと卓をたたいてはじめるかのよう。
「志よふじき」、「じ」がよく読めなくて、ここも正直とはすぐにわかりませんでした。
「可王い可゛り」、同じ変体仮名「可」なのにかたちがまったくことなります。
鋤の刃の部分と犬の柄の3色とが同じ色合いで丁寧ですし、爺のみなりの仕上がりもとてもきれいにできています。他の部分もほぼ完璧といってよいのに、赤だけが乱れているのはどうしてなのでしょうか。珊瑚の赤ははみだし、色こぼれして枠線をはみだし、爺の袖口や帯の部分も荒い。
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