2022年6月30日木曜日

祢づミの嫁入(木村文三郎) その16

奥付 国立国会図書館蔵

(読み)

明治十五年七月十一日御届

東京日本橋区馬喰町二丁目一番地

定價三銭

編輯兼出版人 木村文三郎


(大意)

(補足)

 やはり当時最先端の銅版画なので定価が3銭といままでの木版豆本の倍近くになっています。現在の価格で800円前後でしょうか。ここの見出しなどの文字は活字を意識したのか現在で言うところの明朝体などのフォント的なものになっています。しかし広告文は馴染みのある通常の字体と文章になっています。一冊とりあげてみます。

算法新書大中小本

算盤通書全

此書ハ長谷川先生の校閲ニして当今算法書の数多しといへども

他尓比べき書籍奈し実尓古今無類の珠書奈れバ算法ニ志し

阿る緒君乃求メの程伏して希ふ尓奈ん

 江戸時代「塵劫記」は刊行されてから版を重ね、数百年にわたるベストセラーでした。算法の書は実学から関孝和らの専門書も含めてこれまたとぎれることなく日本中津々浦々しれわたりどこでも学ばれていました。明治になってからも同様でこのような本の人気は高かったし売れたのでしょう。

 

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