2022年7月1日金曜日

祢づミの嫁入(木村文三郎) その17

裏表紙 国立国会図書館蔵

(読み)

なし

(大意)

なし

(補足)

 木村文三郎の銅版画のこの豆本のシリーズは6冊国立国会図書館アーカイブで公開されています。わたしのグログでは今回の「祢づミの嫁入」とすでに「袮この道行」「猿加尓合戦」をアップしています。興味深いのはこれら6冊の裏表紙の意匠がみなことなっていることです。同じ版元から出版される豆本のほとんどが裏表紙は同じ意匠なのですが、わざわざ6冊とも変えているのは力を入れているからなのかもしれません。

 小判や唐辛子や和菓子や両替商の看板にあるようなの4種類と刀の鍔のようなかたちのものが繰り返されていますが、型を使って描いてはなくひとつひとつが異なっています。和菓子のようなものはてっぺんのひねりが右回りと左回りのものがあります。楽しんで図案化しているような感じです。

 豆本などや草双紙など江戸時代後期より編輯兼出版人として活躍した出版元は木版、石版、銅版と摺りを時代にそって対応してきましたが、明治30年以降は次第に衰えていきます。活字の活版印刷にのみこまれてしまいました。ポンチ絵あたりが出版元の最後だったでしょうか。しかしながら情報伝達の文字としての役目は終わったとはいえ、芸術的な分野ではどの方法の摺りもしぶとく生き残りはしてますがこの先木版などは危うく、木版のための道具類(バレンなど)を作る人もいなくなりつつあります。

 紙漉きからはじまって木版もですが、なんとかしなければ。

 

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