2022年7月15日金曜日

婦゛んぶく茶釜(木村文三郎) その14

P10前半 国立国会図書館蔵

P10文章拡大

P11

(読み)

多て者゛やしも里んじ尓

たてば やしもりんじに


い多りおせ う尓多いめん

いたりおしょうにたいめん


奈しこれまでの事 をくハ

なしこれまでのことをくわ


しく可多り王多くしもあん

しくかたりわたくしもあん


多いのミのうへとあい奈り

たいのみのうえとあいなり


あり可゛多起由へこのちや

ありがたきゆえこのちゃがま


(大意)

館林茂林寺に

でかけ、和尚に面会

しました。これまでのことをくわ

しく語り、「わたくしも安泰

の身の上とあいなり、ありがたいことです。

ですので、この茶(釜を)


(補足)

「多て者゛やし」「あり可゛多起由へ」、変体仮名「由」(ゆ)は右回りにクルッとまわってそのまま中に縦棒となりますが、それがグニャリとまがります。「や」も筆順は同じですが曲がりません。

「あい奈りあり可゛多起」、「あ」は「お」の点がないかたちです。

 古かね買いの主人は衣装も佇まいもすっかり富貴の身の上。

お寺のお庭もきれいです。

 

0 件のコメント:

コメントを投稿