2022年7月23日土曜日

あさ可゛本物語(木村文三郎) その3

P1前半 国立国会図書館蔵

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(読み)

あきづき由ミの春けハ由ゑ

あきづきゆみのすけはゆえ


ありてち うごくよりミやこへ

ありてちゅうごくよりみやこへ


うつり春満ゐを奈し个る可゛

うつりすまいをなしけるが


あるとしの奈つむ春め

あるとしのなつむすめ


(大意)

秋月弓之助は故あって

中国地方より都へ

移り住んでいました。

ある年の夏、娘


(補足)

「由ミの春け」「由ゑ」、変体仮名「由」(ゆ)の縦棒は曲がります。

「ありて」、「り」or「つ」のどちらでも意味は通じますが悩むところです。ちょうどそのすぐ左側に「つ」と「り」がありますがどちらにも見えてしまいます。

「春満ゐ」、変体仮名をいくらか勉強していないと読めません。

「个る可゛」「あるとしの」、ここの「る」は変体仮名「留」(る)なのですが、ひらがなにしてあります。

「む春め」、変体仮名「春」(す)は平仮名「す」のクルッと回るところの直前で「て」を書きます。または単純に「十」+「て」。

 小舟のヘリに豆電球が電飾のようになっているのがホタルであります。わざわざ小舟を出してホタル狩りをするなんて酔狂なと無粋なわたしはおもうのですけど。

 みゆきは振り袖に髪飾りと完璧なお出かけ衣装です。小舟で立ち上がってしまっていてグラっと落ちたらと心配です。

 左側にきれいな箱があります。お弁当かちょっとした身の回りの小物などが入っていそうです。

 顔の描き方や表情の作り方が、今風でほんとに140年前のものなのかと首をかしげることしきりであります。

 

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