2022年7月6日水曜日

婦゛んぶく茶釜(木村文三郎) その5

P2 国立国会図書館蔵

P3前半

P3文章拡大

(読み)

▲奈し多連バふしぎやちや

なしたればふしぎやちゃ


可゛満ハ多ちまち多ぬきとへんじ多りおせ うハ

が まはたちまちたぬきとへんじたりおしょうは


おどろ起志よけ多ちをよびてこれをとり

おどろきしょけたちをよびてこれをとり


(大意)

すると不思議なことに茶釜

はたちまちたぬきに化けてしまいました。

和尚は驚いて弟子の坊主たちをよび

これを取り(押さえようと)


(補足)

「ふしぎや」、短い「し」で読みとばしそう。

「多ちまち」、「ま」の一画目がかさなってます。

 P2P3も実に丁寧に描かれています。ドタバタの最中あやまって箒に突っ込まれた八っつぁんふうの御仁は、はちまきを落とし六尺棒もうっちゃっりのけぞって、両の手のひらと右足の指先の突っ張りまで見事であります。

 顔が左腕にかくれてしまっていますが、眉間と眉毛と目だけで「うわっ〜」感が表現してあってうまい。画面中央にもってきた箒は必ず目がいくところなので意識したのかこれまた丁寧。

 縁側の柾目板も上手。4本ずつ板を固定してある釘は竹釘かもしれません。背景の2本の木、手前の木は上の方に細かい葉をひとつひとつ描いています。うしろの松は扇状の松の葉一本一本をどれも手を抜くことなく刻んでいます。

 

0 件のコメント:

コメントを投稿