P2 国立国会図書館蔵
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(読み)
郎 をミ由起尓ち可づけん
ろうをみゆきにちかずけん
とふ年をこ起゛よせてあそ
とふねをこぎ よせてあそ
二らうをま年起゛い連王り
じろうをまねき いれわり
奈きち起゛りをむ春び个り
なきちぎ りをむすびけり
王可連ををしミてのちの
わかれをおしみてのちの
志るし尓とてあさ可゛本のX⧖
しるしとしてあさが おの
(大意)
(麻二)郎をみゆきに近づけようと
船を漕ぎ寄せ麻二郎を(船に)招き入れ、
深い仲となりました。
別れを惜しみ、のちの
しるしとして、あさがおの
(補足)
「あそ二郎」、ここの「郎」のくずし字は「戸」+「巾」。
「ち可づけんと」、変体仮名「可」(か)は変化自在で「う」になったり「ら」になったり「り」や「つ」にもみえたりします。
「王りなき」「王可連」、変体仮名「王」(わ)は已のようなかたち。平仮名「わ」より頻繁に使われます。
麻二郎が左手に持つ扇、その上で懐紙にささっと歌をしたためました。本文には扇に直接記したとありますけど・・・
小舟にゆられて蛍狩り、みゆきは麻二郎に一目惚れ。侍女はただちにささっこちらの船へと麻二郎招き入れ「王り奈きち起゛りをむ春び个り」。なんかこれじゃぁ、ホタル狩りじゃなくて・・・はしたないのでこれ以上は言葉をひかえますけど、ねぇ。
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