2022年7月8日金曜日

婦゛んぶく茶釜(木村文三郎) その7

P4前半 国立国会図書館蔵

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P5

(読み)

◯そのゆふ可゛多ふる可年可ひき多れバ

 そのゆうが たふるかねかいきたれば


可つて春こし尓てもぜ尓ゝ奈さんとて

かってすこしにてもぜにになさんとて


可の者この奈可をこ王\゛/尓あら

かのはこのなかをこわご わにあら


多めミる尓ちや可゛満ハもとのごとく奈

ためみるにちゃが まはもとのごとくな


連バ奈尓くハん可本尓てふる可年

ればなにくわんかおにてふるかね


(大意)

その夕方、古かね買いが来たので

以前少しでも銭にしようとしたことがあったため

れいの箱の中をこわごわあら

ためてみると、茶釜はもとのまま

だったので何くわぬ顔で古かね(買いに)


(補足)

「ごとく」、「ごと」は合字。二文字を一文字に合体しています。

全体に文字は読みやすいです。

 豆本に出てくる(漆喰or土)壁はたいていひび割れて地肌の竹の下地がのぞきます。そのほうが絵になるからでしょう。縁側や板壁の描き方も同じようで柾目で年輪の幅を変化させています。庭の井戸の作りも丁寧に描いています。古かね買いは膝に接ぎのある股引でおもりの分銅と棒の先に鈎がついた棒ばかりがいかにもそれらしい。

 この商売わたしが子どもの頃にも独特の掛け声を出しながらやってきていました。たまに鋳掛け屋もきて近所の空き地で鍋などなおしていました。

 

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