2022年7月9日土曜日

婦゛んぶく茶釜(木村文三郎) その8

P4前半 国立国会図書館蔵

P4文章拡大

P5

(読み)

可ひ尓ミせ个連バ十 せん尓可ハん

かいにみせければじっせんにかはん


といへ者゛うり者らひ多りふる可年

といえば うりはらいたりふるかね


可ひハこ連を可ひとり王可゛やへもち

かいはこれをかいとりわが やへもち


可へりあし多ハどこへ可うりつけて▲

かえりあしたはどこへかうりつけて


(大意)

(古かね)買いに見せると十銭で買う

と云うので売り払いました。古かね

買いはこれを買取我が家へ持ち

帰り、明日はどこかへ売りつけて


(補足)

変体仮名「可」(か)と「う」はそっくりなので文脈から読むのが一番です。文末の「どこへ可うりつけて」の「可う」もなやましい。

 P5はこれまた精緻に刻まれています。細かく何度も同じような模様を繰り返し刻むのが快感なのではと感じます。板の間は同じような調子を繰り返していますが、奥の竹垣は節の位置を変化させています。さらに縁側の腰壁の板は下部の白い部分の模様をすべて変えています。住職の着物柄もこれまた凝ってます。

 

0 件のコメント:

コメントを投稿