2022年6月17日金曜日

祢づミの嫁入(木村文三郎) その3

P1前半 国立国会図書館蔵

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(読み)

とう个いの

とうけいの


しん可いまち

しんかいまち


ふくとミ丁

ふくとみちょう


といへるとこ

といえるとこ


ろ尓大 こくや

ろにだいこくや


ち うゑもんと

ちゅうえもんと


いふ大 あ起ん

いうおおあきん


ど阿りむ春

どありむす


(大意)

東京の新開街福富町というところに

大黒屋忠右衛門という大商人がおりました。


(補足)

「とう个い」は東京だとおもいます。

「あ起んど」、変体仮名「起」(き)が「紀」にもみえますが、きっと「起」です。文末にもあります。

 二人?の旦那は立派な和装です。かたや縦縞に柄物の羽織、もうひとかたは格子縞に黒羽織。履物も厚く白足袋です。石畳ののぶつぶつ感や、そのすぐうしろの草山の濃淡が見事なのにくらべ、立木の木の皮の描き方が稚拙です。これはまだ銅版で木をどのように描いてよいのかわからないからではと。背景の山の稜線もいまひとつです。

 

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