P10 国立国会図書館蔵
P11前半
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(読み)
◯とりあげ者゛アさん
とりあげばあさん
を多のミ多べもの奈
をたのみたべものな
ど尓きをつけ多い
どにきをつけたい
せつ尓奈し多る尓者や
せつになしたるにはや
里ん个゛つと奈り多満
りんげ つとなりたま
のやう奈るをん奈の
のようなるおんなの
(大意)
とりあげ婆(お産婆)さんを頼みました。
食べ物などに気をつけ大切にするうちにはや
臨月となりたまのような女の(子)
(補足)
一行目二行目のちょうど同じくらいの位置に「と」と変体仮名「多」が並んでいて、かたちがにています。
「多べもの」、ここの変体仮名「毛」(も)は最下部から左上に上がってグルっと大きく右回りになるかたちのもの。
この五行のうちに変体仮名「多」がやたらに目立ちます。韻をふんでいるわけではないとおもうのですけど。
P10には「忠孝」(ちゅうこう)の屏風が、もちろん「チュウ」と洒落ています。煙管一式と煙草盆はかかせません。
三方を手にするのはお付きの女中さんか、素足です。よく見ると縁側の板敷きと障子の桟がありますので隣の部屋は柄物の敷物が敷いてあるようです。
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